夕方になると、「晩夏の風物詩」ツクツクボウシの鳴き声が。
日本人が好む蝉の声と言えば、おそらくヒグラシが一番人気。
哀愁を帯びた「カナカナカナ」の声を聞くと、何故か子供の頃の懐かしい思い出が蘇ってきて。
「季節の移ろい」を感じさせる虫たちは、夜更けにも。
コオロギやキリギリス、クツワムシなどが奏でる「夜の演奏会」。
聞く所によれば、虫の音を「風情があって心地よい」と感じるのは、日本人特有だそうな。
日本人は左脳(言語脳)で「虫の声」を聴き、西洋人は右脳(音楽脳)で「虫の音」を聞くと。
この不思議な違いは、母国語が「母音型」か「子音型」かに拠るらしく。
日本語は「母音中心」の言語だから、「母音近似」の虫の声を、言語脳で処理するとの説。
世界中でこのパターンは、日本語とポリネシア語だけとか。
「虫の音」がノイズでしかない文化と、「虫の声」に聴き入る文化。
芭蕉の名句「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」は、日本ならでは。
虫や動物の声だけでなく、風や雨や波の音、樹々のそよぎや小川のせせらぎも、「自然の声」として耳を傾ける感性。
なるほど、まさに「山川草木悉皆成仏」。
ウィズコロナで溜まった疲れを、虫の声が優しく癒してくれるかも。