昨年来、空港検疫所にいるイメージマスコットの「クアラン」をご存知ですか?
この愛称は、英語の「クアランティン」(検疫)が由来。
現下のご時世を予期して現れた「水際作戦キャラクター」のようにも。
ゆるキャラやアニメキャラ等々、とにかくキャラ好きの日本人は、世界的にも特異な存在。
今、最も注目を集めているキャラクターは、「アマビエ」でしょうか。
水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」に登場し、長い髪に小さなクチバシ、体はウロコという半人半魚の妖怪。
肥後国の言い伝えによれば、やがて襲来する疫病を予言し、「疫病が流行した際には、私の姿を描いた絵を人々に見せよ」と告げたとか。
その通りにすると、かの疫病が退散したというありがたいご利益があったようで。
まさに時宜を得た伝説キャラとして、今年2月頃からツイッターを通して画像があっと言う間に拡散したそうな。
熊本ゆかりの妖怪が、「くまモン」にも劣らぬ人気者になるとは、地元の方々もさぞかしビックリでしょう。
そんな日本の姿は、海外マスコミから奇異な現象と見られているようで。
米誌「ニューヨーカー」は、パンデミックの真っ只中でも、「日本人はキャラクターに心の平穏を求める」と報道。
「アマビエの予言」を信じるか、信じないかは、人それぞれの自由ですが、「予言の自己成就」という学説もあって。
米国の社会学者ロバート・マートンは、「何らかの予期が、単なる思い込みであったとしても、意識的または無意識にその予期を実現するような行動をとることによって、現実になることがある」と。
古より森羅万象に「八百万の神」が宿るというアニミズム的な世界観が流れる日本文化。
先が見えない不安な時代において、「希望のシンボル」としての意味はあるようにも。
未来に何が起こるかは、神様しか知り得ない。だから人間には「自己成就的な予言」が意外と大切で。
未だ感染ゼロの岩手県では、「南部鉄器アマビエ」の制作を始めたと。
西宮市の廣田神社では、疫病退散の願いを込めた「アマビエ護符」を、参拝者に無料で配布していると。
どんな時でも少々の「遊び心」を忘れずに、ポジティブ思考で「きっとそうなる!」と信じた方が、楽しそうですね。