生命体の不思議

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2020年3月3日。今日は「楽しい雛祭り」のはずなのに、祭り気分が盛り上がらない「桃の節句」です。

得体の知れないウイルス騒ぎで、世界中が右往左往。

予定していたイベントも中止になり、ふと思い出した書棚の本を3冊取り出して。

その1は、「生物と無生物のあいだ」(福岡伸一)。

ウイルスは細胞をもたず、細胞よりずっと小さい。自分でエネルギーを作ったり、タンパク質を合成することもできない。

しかし、ウイルスはいったん他の細胞に寄生すると、宿主細胞の道具を無断借用して、自分自身の遺伝子とそれを格納する殻を複製し、どんどん増えることができる。

やがて宿主細胞を蹴破って一斉に飛び出し、次のターゲットを探す。まるでエイリアンみたいだ。

その2は、「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド)。

アメリカ大陸最大の王国「インカの文明」は何故、スペインの侵略により、かくもあっけなく壊滅したのか。

そこには「文明の利器」たる鉄製の武器と銃、さらには「病原菌」が関与した。

農耕社会の強みは、致命的な伝染病に対する抵抗力を身につけたことだ。

家畜とともに暮らす人々は、動物由来の感染症に対して免疫が発達したが、狩猟や採集で生活する人々にはそのような機会はなかった。

そのため、伝染病が征服者と共に海を渡った際、新大陸の原住民は次々と命を落としていった。

その3は、「人類が知っていることすべての短い歴史」(ビル・ブライソン)。

ウイルスは「悪い知らせに取り巻かれた一個の核酸」に過ぎないが、好適な宿主を得ると、俄然活気づく。

細胞の遺伝物質を乗っ取り、たがが外れたように増殖する破壊力は凄まじい。

ウイルスは、忘れた頃に「新手の姿」で襲ってくる史上最悪の病原菌ですが、その一方でこんな学説も。

我々の根本であるヒトゲノム(人間の遺伝情報)の45%が、「ウイルス」や「ウイルスのようなもの」で構成されている。

例えば、子宮の胎盤形成に必須の遺伝子の一つがウイルス由来のもので、胎盤の機能を進化させる上で重要な役割を果たしていると。

かく言う私自身も長年、ウイルスとの共存生活を送っています。

数年に一度、体内に潜む「帯状疱疹ウイルス」が目覚めると起こる肋骨の痛み。

子供の頃にかかった水ぼうそう(水痘)ウイルスの生き残りで、免疫力が低下するとムクムクと。

厄介な共存者ですが、ある種のウイルスには他の病原体の感染をブロックしてくれるような存在意義もあるらしく。

人知が及ばぬ「生命体の不思議」を感じる今日この頃です。