アート世界の「孤高」と「迎合」

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カワセミ4部作が揃ったので、来年は国内外の公募展に出展しようかと準備中です。

展覧会で作家が持ち歩く七つ道具があるそうで、そのひとつが「ポートフォリオ」という「作品集」。

Portfolio(ポートフォリオ)は本来「紙ばさみ」とか「書類入れ」という意味ですが、所謂クリエーターの世界では「自己PR資料」とのこと。

これまでの作品写真とキャプション(タイトル・技法・サイズ・制作年)の記載は勿論ですが、「アーティスト・ステイトメント」やらも求められているようです。

簡単にいえば、作家の「制作意図」や「作品コンセプト」などを言葉で表現したもの。

あれ???
アーティストは「作品がすべて」なので、「作品を観て理解して下さい。言葉で説明することはありません。/したくありません。」のはず。

そもそも、画家や写真家に解説を求めること自体が矛盾しており、もし言葉で表現できるのなら、ビジュアルアーティストよりも文筆家になればいいので。

アートを審査・評価する方々(特に海外)は、作者が何故にその作品を創ろうとしたのか、何を表現したかったのかを明確に伝える文章を重視します。

それによって、創る人と観る人との距離を縮め、理解の奥行きが深まると。

確かにそうかも知れないと思いつつも、「言葉に頼ること」への抵抗感が残ります。

私の場合、始めから海外対応もできるように、タイトルを超シンプルな英語にして。
「制作の思い」は、ワンフレーズの副題で補足すればいいかと。

「Halcyon at Sunset」は、「静けき祈り」(Sweet moment of prayer)。

「Halcyon in Moonlight 」は、「月華の調べ」(Talk with moon, Sing with flowers)。

「Kingfisher on Lotus」は、「穏やかな朝」(Peaceful morning with sacred flowers)。

「Kingfisher in Autumn」は、「秋色のどか」(Harmony of autumn colors)。

このワンフレーズが、作品を観る人独自の物語を触発するトリガーになってくれれば、十分なので。

それにしても、アートの世界における「孤高」と「迎合」の関係は、とても興味深いテーマですね。

この年末年始に、掘り下げて考えてみようかと思います。

秋色のメロディ

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「Kingfisher in Autumn」(副題「秋色のどか」)が、ようやく出来上がりました。

秋半ばまでに仕上げたかったのですが、思いのほか時間がかかって。

主役のカワセミと富士山にもまして「秋色の葉っぱ」にこだわって、試行錯誤を繰り返し。

葉の版木は、下地と表面と裏面の3枚で、シンプルに色を置くだけなら3回摺れば済むはずでしたが‥‥。

バイオデザイン風に言えば、落葉樹の葉色は、クロロフィル(緑)→カロテノイド(黄)→アントシアニン(赤)→タンニン(茶)に移ろうケミストリーの世界。

14枚の葉っぱ一枚ごとに異なる「時間の流れ」と「微妙な色合い」を表現できればと無謀な試みを。

その結果、3×14の42回も摺ることに。

されど人間、追い詰められると「天の啓示」のごときヒラメキが。

いつしか14枚の葉っぱが、「音符のイメージ」に重なり合うように。

作品の通奏低音に、のどかな「秋色のメロディ」が聞こえてくるような気がして。

出来映えはさておき、同系色の様々な組み合わせを試みる実験になったようです。

彫った版木は23枚、摺りは32度(葉はカウント外)、限定部数15部の作品になりました。

後は越前和紙の乾燥後、エディションナンバーと署名を書き、落款を押して完了。

これで「カワセミ4部作」が完成し、来年のどこかで公募展に出展してみようと思います。

次作品の題材は、北米からカリブ海沿岸に生息する「Great Blue Heron」(オオアオサギ)。

古代エジプトにおいて、青鷺は「ベヌウ」と呼ばれ、太陽神信仰に結びついた聖鳥とのこと。

「再生と復活」を象徴する青鷺の姿をどう描くのか、構想をめぐらす年末年始になりそうです。