人知が及ばぬ世界に

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岡本太郎さんは、著書の「沖縄文化論」で「御嶽(ウタキ)」について、こんな言葉を。

「私を最も感動させたものは、意外にも、まったく何の実体も持っていないといって差支えない、御嶽だった」。

確かに、神殿も偶像もなく、自然のままの樹木や岩石があるだけで。

「おそらく我々の祖先の信仰、その日常を支えていた感動、絶対感はこれと同質だった。(中略)日本人の血の中、伝統の中に、この何もない浄らかさに対する共感が生きているのだ。この御嶽に来て、ハッと不意をつかれたように、それに気がつく」。

世界の聖地として名高い、エジプトのアブ・シンベル神殿、ギリシャのパルテノン遺跡、フランスのモンサンミッシェル修道院など。

日本では、伊勢神宮や出雲大社も。

その多くが、権威を象徴する「荘厳な建造物」。

岡本太郎さんは、こう続けて。

「沖縄の御嶽でつき動かされた感動は、まったく異質だ。なに1つ、もの、形としてこちらを圧してくるものはない。清潔で、無条件である。だから、逆にこちらから全霊をもって見えない世界によびかける」。

この感覚は、とてもよく分かります。

私の木版画のモチーフは、一貫して「あるがままの自然」と「無垢の生き物」。

生意気なようですが、あえて、人工的なものや、生身の人間は外して。

アインシュタインの言葉に。

「我々が経験し得る最も美しいものは神秘。それはすべて、真の芸術と科学の源だ」。

人間の「知恵や作為」が及ばぬ世界にこそ、「本物の美」があるのかも。

只今制作中の「Kingfisher on Lotus」は、9合目に。

時間がかかりましたが、5月中には出来上がりそうです。