「働かない蟻」の存在価値

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アリの話題を続けます。

本棚にあった「働かないアリに意義がある」という本を、読み返してみると。

「フリーター」や「サボリーマン」が、ほくそ笑みそうな題名ですが。

北大の進化生物学者、長谷川英祐先生の科学的研究によるアカデミックな内容。

実験と観察の結果、アリのコロニーには、「働かないアリ」が2割ほど存在し、その存在がないと、コロニーが長続きしないと。

短期的には、サボっているだけに見える「働かないアリ」でも、組織の長期存続には、欠かせない存在らしくて。

面白いのは、よく働くアリ上位2割、働かないアリ下位2割を取り出した結果。

正規分布は変わらずに、やはり2割程度のアリが、ほとんど働かなくなるとのこと。

考えてみれば、卵の孵化や幼虫の世話、巣の環境整備や外敵の防御など、「種の存続」に必要な仕事は、昼夜息をつく暇もなく。

どんなに「働き者のアリ」だって、疲れ果てるはず。

ころ合いを見計らって、交代を買って出る「お助けマン」こそ、「働かないアリ」の存在価値。

なるほど。24時間操業の「三交代シフト」のような仕組みかも。

身近な「家事の仕事」も同様で、主婦だけに負担が続いたら、マグマが溜まって「怒りの噴火」が。

家庭円満が長く続くには、適宜、「料理当番の交代」や「子育てからの解放」も大切で。

悩みの種は、普段「のうのうと暮らす旦那」が、家事手伝いを申し出るタイミングの難しさ。

おずおずと「May I help you?」と、交代を申し出ようか。

早すぎても空振りで、遅すぎれば悲惨な反撃に。

言葉もなく、時計も持たない「アリさん」は、どうやって自分の「出番の時」を知るのだろうか?