「紫色の気体」で思い出すのは、その昔、化学の実験で使ったヨウ素ガス。
吸い込むと体によくないので、東から流れてきたら、さっさと逃げろということか。
このような「勝手な解釈」は大間違い。
中国では古来、東方よりたなびく「紫の瑞気」は、「吉祥」のしるし。
道教の祖、老子に由来するようです。
伝説の仙人が住む場所は「紫海」で、帝王の宮殿は「紫禁城」。
紫は、高貴で神秘的な色彩として好まれていました。
色と戯れる日々が続く私には、「色にまつわる言葉」に興味を惹かれます。
「真っ赤な嘘」とか「赤の他人」。
どうして「赤」なのか?
調べてみると、赤は「明らか」の意味を持つとのこと。
そう言えば、英語には「白い嘘」(white lie)という言い方が。
こちらは、「罪のない嘘」を指すと。
「黄色い声」もありました。
子供や女性の甲高い声が、何故黄色なのか。
諸説あるようですが、「音色」や「声色」と言うように、音と色には「不思議な相関」があるのかも。
カンディンスキーの抽象画は、「音と色彩」を描いたと言われています。
そう思って観ると、作品から微かな音楽が聴こえてくるような。
世の中には、「共感覚」の持ち主がいるそうです。
音を聴くと色が見える、文字を見ると色が浮かぶという感覚。
人間の視覚から入る情報の80%以上は、「色の情報」。
「色彩の海」のような世界に生きていることを楽しんで。
さあ、今日も作業台のリングで、「色との格闘」を始めよう!