言葉の結晶化

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プレバト俳句に続き、短歌の話題。
俳句は17文字、短歌は31文字(ミソヒトモジ)の「言葉の結晶化」。

長い文章やくどい話を好まぬ私にとって、極限まで凝縮した言語表現はとても魅力的。
作り手の「心の機微」がたった31文字に結晶化しても、まざまざと伝わってきます。

「東海の 小島の磯の白砂に
われ泣きぬれて 蟹とたはむる」
啄木の孤独感、寂寥感が、「鮮やかな映像」として浮かんできます。
まるで絵画のように。

名の知れた歌人の作品は、牧水、晶子、子規、白秋等々、数多くありますが、今回は河野裕子さんを。
「家族への愛情」を詠んだ歌なら、この方がダントツでしょう。

「しっかりと 飯を食わせて
陽にあてし ふとんにくるみて
寝かす仕合せ」
幼な子を育てる苦労多き日々に、ふと感じる幸せな気持。
健やかに大きく育って欲しいと思う母の願いを31文字で。

河野裕子さんは8年前にこの世を去りました。
伴侶の永田和宏さんは著名な細胞生物学者で歌人。
生化学者の長女紅さんと長男の淳さんも歌人です。

64歳の若さで亡くなられた裕子さんが詠まれた辞世の歌。

「手をのべて
あなたとあなたに触れたきに
息がたりないこの世の息が」

最後の最後まで、家族を愛し続けた裕子さんのご冥福をお祈りします。