色に遊ばれて

http://www.biodesign-japan.com/wp-content/uploads/sites/1887/2018/07/header20180715102306_404786185.jpghttp://www.biodesign-japan.com/wp-content/uploads/sites/1887/2018/07/header20180715102306_299988686.jpg
「Halcyon in Sunset」。制作中の作品のタイトルです。副題を「静けき祈り」と。
ギリシャ神話に語り継がれるハルシオンは、荒波を鎮める鳥。カワセミならずとも、水平線の彼方に沈みゆく夕陽を見つめていると、不思議に「祈りの心」を思い出すようです。

夕映えに染まる橙色の空、青紫の海、赤紫に輝くアカショウビン、多様な緑の亜熱帯植物等々、色彩の選択に試行錯誤を繰り返す日々が続いています。

木版画では、色の重ね摺りとボカシの技法が多用されます。
ピンクの下地にイエローを重ねると黄系オレンジになりますが、その順番を逆にすれば赤系オレンジ色に。そのどちらかをチョイスするかで悩みます。

ボカシは浮世絵時代からの伝統技法。バレンの使い方でグラデーションを表現する「摺りボカシ」、平刀の彫りで緩やかな傾斜をつける「板ボカシ」、色を乗せてから部分的に布で拭き取る「拭きボカシ」、版木に絵の具を垂らして摺る「当て無しボカシ」等々。匠の技は奥深く、果てしなく続く道のようです。

木版画の摺りの工程で、「色で遊ぶ」ことを楽しみつつも、実際には「色に遊ばれている」と感じる日々を過ごしています。