新しい作品は仕上げの段階に。いつものように最後の摺りは「眼」。
「目は口ほどに物を言う」、本当に眼で印象がガラリと変わります。
今回もこだわって、3度版木の彫り直しを。
「画龍点睛」という中国の故事があります。
南北朝時代のある画家が描いた四匹の金龍には眼がなかったそうな。
民衆から懇願され、やむなく二匹だけに描き込んだところ、天空に飛び去ってしまったという不思議な話です。
物事を完成するために、最後に加える大切な仕上げ。
仏教の世界なら「開眼法要」と。
仏像を作る時、最後に眼を描き込んで「魂が宿る」と考えられています。
「Halcyon in Sunset」もやっと「眼」が入り、盆前には仕上がりそうです。
私のカワセミ(翡翠)は、幸いにも天空に飛び去らず、夕暮れの海辺に佇んでいます。