制作後記

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「Owl in Green」(副題「光の記憶」)の制作には、5か月程かかりました。要した時間の多くは、オーロラをどうやって表現するかに‥‥。
木版画(凸版)の特徴上、シャープな輪郭は得意なのですが、淡いソフトな表現は、なかなか上手くいきません。
様々なボカシ技法を用いて試行錯誤を繰り返し、何とか9合目まで辿り着けましたが‥‥。
最後の一筆は、ブルーの「パンパステル」を摺り込み、フィキサチーフで和紙に定着させて完成。
木版画の弱点を、柔らかい質感を得意とするパステルで補った「MIXED MEDIA」の試みです。

グリーンは、七色の虹の真ん中の色。中庸の「安心感や安定・調和」のシンボルカラーです。
植物の緑色には、緊張を緩めて穏やかな気持を取り戻す効果があるようです。

オーロラの「神秘的な美しさ」は、太陽から地球に届けられた壮大なメッセージ。
太陽風プラズマが、地球を包む二重のバリア(磁場と大気)に衝突して励起される物理的現象です。
地球誕生から46億年。天空を彩るオーロラの「鮮やかな色」は、この星に住む生き物たちの記憶に刻み込まれています。

次の作品は気分一新で、トロピカルな南の島を。
浜辺の夕陽と椰子の木や熱帯の草花、アカショウビン(Ruddy Kingfisher)を題材に選びました。

新作「Owl in Green」

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「Owl in Green」(副題「光の記憶」)は、フクロウシリーズ第4作目。
20版24度摺りで限定15部の作品です。ベースカラーはグリーンで。

緑に輝くオーロラの光に包まれて、深い森に佇むフクロウが、「心の安らぎ」をもたらしてくれますように‥‥。

ギャラリーにも写真を掲載しましたので、ご覧ください。

「偶然」を装った「必然」

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私の知り合いに、「運天さん」という方がおられます。
沖縄出身のご主人の苗字ですが、おそらく生家は「今帰仁村運天」でしょう。
ここには、1万トン級の船舶が利用できる重要港湾「運天港」があります。

「運天」という珍しい地名には、古い謂れが。
鎮西八郎と言われた平安時代の武将「源為朝」の伝説です。
流罪の地「伊豆大島」から逃れる途中、暴風雨で漂流し、「運を天に任せて」辿り着いたとの由来。
真偽のほどは分かりませんが、琉球正史では、最初の王「舜天」は源為朝の子であるとされ、「日琉同祖論」の根拠に。

「運を天に任せて」というご経験は、おありでしょうか。
私は何度も……。
その心境は「人事を尽くせば」、結果は「天」が決めること。

「Chance favors the prepared mind」という好きな言葉があります。(フランスの細菌学者ルイ・パスツール)。
「幸運の女神は、準備された心に降り立つ」。
ただ待っているだけでは来ない「幸運」。
できれば、「幸運を手繰り寄せる」ような生き方をしたいものです。

それにしても人生は、かなりの部分が「運」に左右されています。
「運」に恵まれるか、恵まれないかは、何によって別れるのでしょうか。

「天」は、「万人に平等」です。
すべての人間は、それぞれに「生きる意味」を持って生まれ、「天の心」からは皆が「等価な存在」。
能力の差、貧富の差、容姿の差は、人間同士が気にする尺度で、「天の眼」に映るは優劣なき「多様ないのち」。

そうであれば、「運」を手繰り寄せるのか、「運」から遠ざかるのかは、「己の選択次第」。
ずっと会いたいと思っていた人に会える。
こうなって欲しいと願っていたことがそうなる。
追い詰められた時に手を差し伸べてくれる人が現れる。
誰にでもそんな経験があるでしょう。

「偶然」のように見えてもそうではありません。
「幸運」は「能動的な営み」がもたらします。
自分の心の中で、「かくありたい」と願うこと。それがすべての始まりです。

勿論、人生は「山も谷も」あり、思い通りには行きません。
ただ、「願ったこと以上」のことは、決して起こり得ないから、例えダメ元でも「願えば」いい。
「願うだけ」で足りないなら「祈れば」いい。
「祈り」は、「天」と「現実」の架け橋です。

「幸運の女神」が微笑む、それは「偶然」を装った「必然」の時なのです。