海の中にもカクレンボ上手が

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以前、昆虫たちの巧みな擬態能力を取り上げたが、海の中にもカクレンボが上手な生き物たちがいる。ニシキフウライウオは奇妙な風貌だが、カミソリウオ科に属するれっきとした魚の仲間だ。肉食性で珊瑚礁域の八方サンゴやウミシダに擬態し、気づかずに近づいてきた小型甲殻類や動物性プランクトン等を巧みに捕食する。次に名前も実物も見るからに恐ろしげなオニダルマオコゼを紹介する。この魚は「海底の忍者」のように、岩に擬態したり砂地に潜んだりしながら、近づいて来る獲物を待ち受ける。何もしないでじっと待っていれば、好物の餌にありつけるという食生活だ。その巧みな隠れ身の術は、時に人間にも危害を及ぼす。背鰭に強力な毒棘を持ち、誤って刺されると致命傷となる怖れがある。岩に見間違えて踏んでしまうと、ビーチサンダルやダイビングブーツも突き抜けてしまうほどの丈夫な毒棘だ。不幸にもダイバーが死亡した事例もある。
ラストはワレカラだが、知名度が低いのでご存知ない方が多いかもしれない。見た目は昆虫のナナフシとカマキリを足して2で割ったような姿だが、カニやエビと同じ甲殻類の仲間だ。住処の海藻と見分けがつかない程、上手に擬態する。名前の由来は、空気中で乾燥するとパキッと殻が割れることから来たようだ。古くは枕草子や古今和歌集にもワレカラの名前が出てくる。「ワレカラ食わぬ上人なし」という言葉もある。肉食を禁じているお坊さんでさえ、海藻やヒジキに紛れ込んでいるワレカラを知らず知らずに食べてしまうという意味だ。海中にはさらに進化した擬態能力が存在する。次回は怪盗ルパンさながらに変装が得意な海の生き物を紹介しよう。